SOCIAL APARTMENT
INTERVIEW

【OBインタビュー】「ソーシャルアパートメントのような誰もが心地よく過ごせる空間を」元入居者が大阪にオープンした日本茶喫茶の原点(後編)

2026-07-24
【OBインタビュー】「ソーシャルアパートメントのような誰もが心地よく過ごせる空間を」元入居者が大阪にオープンした日本茶喫茶の原点(後編)

ソーシャルアパートメントは、従来型のお部屋に加えてラウンジなど充実したパブリックスペースが併設された交流型賃貸マンション。プライベートを保ちながら住人とのコミュニティを楽しめる、”世界が広がる”新しい居住スタイルです。

ソーシャルアパートメントで過ごす時間は、単なる居住経験に留まらず、その後の人生やキャリアの選択に大きな影響を与えることも少なくありません。今回お話を伺ったのは、かつて「WAVES日本橋浜町」で暮らしていた澤田さん。澤田さんはソーシャルアパートメントを退去後、大阪の住宅街に日本茶と和菓子をメインとしたカジュアルな空間「福まる喫茶」をオープンしました。

前編では、肩書きのないフラットな人間関係の中で「楽しませる側」になる魅力に気づいた、ソーシャルアパートメント入居時代の日々を振り返りました。後編では、歴史ある空間を引き継いだお茶と和菓子の喫茶店「福まる喫茶」の誕生秘話、そして障がいのあるなしに関わらず誰もが心地よく過ごせる空間を目指す澤田さんの、これからの展望についてお話を伺います。

前編はこちら👇
【OBインタビュー】「ソーシャルアパートメントのような誰もが心地よく過ごせる空間を」元入居者が大阪にオープンした日本茶喫茶の原点(前編)

50年続く元お寿司屋さんとの出会い。日本茶喫茶をオープンするまで

――そうして大阪の住宅街にオープンされたのが、お茶と和菓子の喫茶店「福まる喫茶」ですね。オープンに至る背景には、ドラマチックなストーリーがあったと伺いました。ぜひそのきっかけを教えてください。
澤田さん: 年末年始に実家へ帰省した際、お昼ご飯を食べに出かける途中で、地元で50年続いていたお寿司屋さんに「廃業」の貼り紙がしてあるのを偶然見つけました。お店の前には寂しそうに佇む白髪の大将の姿があって。その後、再びお店の前を通りかかったときに中に人の気配がしたので、思わず吸い寄せられるように古い引き戸を開けて「お店、閉められたんですか?」と声をかけてしまったんです。

一歩中に足を踏み入れると、そこには本瓦や池が設えられた、職人のこだわりが詰まったあたたかくて美しい和の空間が広がっていました。大将から「50年の節目で閉めて貸店舗にしたけれど、なかなか借り手が決まらなくてね」というお話を聞いた瞬間、なぜだか胸の奥から「この素敵な空間を絶対になくしちゃいけない、なんとかしなくちゃ」という猛烈な思いが込み上げてきて。気がついたら、あと先のことも何も考えずに『なんとかします!』とその場で宣言していました(笑)。

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――まさに直感に突き動かされたのですね。そこから日本茶の喫茶店というコンセプトには、どう繋がっていったのでしょうか?
**澤田さん:**お店を引き継ぐと決めて仕事を辞め、大阪に戻ってきたものの、当然私はお寿司を握れるわけではありません。最初は具体的に何のお店をやるか全く決まっていませんでした。ただ『この素晴らしい空間を残して、人が集まる場所にしたい』という一心で、アイデアを絞り出していました。

そのときにヒントになったのが、やっぱりソーシャルアパートメントでの暮らしでした。ラウンジで多様な人たちと会話する中で、「美味しいものがあると、人は自然と集まって楽しく話ができること」、そして「自分の好きなことにキラキラと取り組んでいる人が身近にいると、自分にも力が湧いてくること」を肌で実感していたんです。

周辺の市場調査をしたところ、近くにコーヒーを出すお店はたくさんあったのですが、お茶をゆっくり楽しめるカジュアルな場所は少なかったんです。抹茶などのブームは来ていましたし、お店の和の雰囲気にもぴったりですし、他のお店と被らないですし、今後のインバウンド需要も見据えて、あえてコーヒーを置かないお茶とお菓子の喫茶店というスタイルを選びました。

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お店には見事な囲炉裏(いろり)のお部屋もあったり、店員や隣同士の人と話しやすいカウンター席もあったので、この魅力を活かしてお茶と和菓子をカジュアルに楽しめる喫茶店にすれば、ソーシャルアパートメントのラウンジのように色んな人が自然と繋がれる心地よい空間がデザインできるはず、と思いつきました。

ーーコンセプトもソーシャルアパートメントの暮らしが役に立っていたんですね。メニューも彩り豊かでどれも美味しそうですが、どのようなメニューが人気ですか?
**澤田さん:**一番人気は、特製の抹茶ラテや、3種類の味の違いを一度に楽しめる煎茶のセットです。そして口コミでじわじわと評判が広がっているのが、注文を受けてからお作りする、出来立ての温かい「わらびもち」です。「お店でないと体験できない特別な価値」を感じていただきたくて、他にあまりない温かい状態で食べるという提供方法「できたてわらび餅」というメニュー名にもこだわりました。

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▲左・1番人気の抹茶ラテ/中央・煎茶3種類が楽しめる飲み比べセット/右・温かい状態で提供するできたてわらびもち

ソーシャルアパートメントのように、誰もがつろげる空間に

――「福まる喫茶」を運営される上で、澤田さんが大切にされている理念について教えてください。
澤田さん: 私が目指しているのは、すべての人が居心地よく過ごせる空間です。子どもや大人、外国籍の方はもちろん、例えば障がいのある方にもくつろいでいただける空間にしたいと考えています。きっかけは、聴覚障がいをお持ちのパン職人さんがいるパン屋さんとの提携でした。そのパン屋さんとやりとりする中で、「すべての人にとって利用しやすい空間ってどういうものだろう」と深く考えるようになったんです。

ただ、いかにも「障がい者向けのバリアフリー施設です」と限定してしまうのではなく、あくまで誰もがふらっと立ち寄れるカジュアルで居心地の良い喫茶店でありたい。その心地よさのベースの中に、障がいを持つ方も、そうでない地域の方も、みんながグラデーションのように混ざり合える場所を作りたいと思いました。

――具体的にはどのような工夫をされているのでしょうか?
澤田さん: 来店するハードルをできるだけ下げるために、まずはInstagramや店頭の看板で「手話や筆談での対応が可能です」ということを明確に掲示しています。

また、メニューを注文しやすいようにすべての商品に番号を振ったり、お茶の楽しみ方を視覚的に分かりやすく解説した資料を全席に用意したりしています。これらの取り組みを始めてから、口コミやSNSを通じて、遠方からもたくさんの聴覚障がいを持つお客さんが「ここなら安心して寛げるから」と足を運んでくださるようになりました。

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▲各席にはお茶やお菓子の楽しみ方やお店の取り組みを伝える資料が用意されている

――素晴らしい取り組みですね。お寿司屋さんの名残のあるカウンターも何気ない会話や交流が生まれそうな空間ですね。
澤田さん: 本当にその通りです! カウンター席でお客さんとお話ししていると、定年退職された方から、絶賛子育て中で少し息抜きに来られた親御さんまで、本当に多様な方々がそれぞれの悩みや日常の楽しかったことをお話ししてくださいます。

そこでは、仕事の肩書きなんて関係ありません。みんなが素の自分に戻って、純粋な対話を楽しんでいる。これって、私が「WAVES日本橋浜町」のラウンジで毎日体験していたコミュニケーションの風景そのものなんですよね。ソーシャルアパートメントでの経験があったからこそ、自信を持ってこのあたたかい空気感を喫茶店で再現できているのだと思います。

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――澤田さんの「場づくり」への情熱は、今後さらに広がっていきそうですね。これからの展望を教えてください。
澤田さん: これからも、お店を通じて初対面のお客さん同士が自然と交流できるようなイベントや企画をどんどん仕掛けていきたいです。実は今、入居していた時に実施したクリスマスパーティーの企画者と共同で、この喫茶店を運営する中で感じてきた「おもてなし」をテーマにしたオリジナルカードゲームを制作しています。複雑なルールではなく、トランプのように誰もが直感的に楽しめるゲームを目指して、今年の9月頃の完成に向けて絶賛開発中です!

――カードゲームですか! どのような想いが込められているのでしょうか?
澤田さん: ゲームを通じて、遊んだ人が「他者を思いやる心」に気づいたり、思いやりを深めるためにはどうしたら良いかを考えたり、肩書きを取り払って「ありのままの相手の姿を見る」きっかけを作れたらいいなと思っています。完成したら、ぜひソーシャルアパートメントの物件のラウンジにも置いてもらって、入居者のみなさんの交流ツールとして使っていただけたら嬉しいですね(笑)。

新たな一歩を踏み出したいあなたへ。ソーシャルアパートメントは背中を押してくれる場所

――最後に、これからソーシャルアパートメントへの入居を検討している方へ、メッセージをお願いします!
澤田さん: 一度はぜひ住んでほしいです!実は喫茶店にいらっしゃったお客様で「私もソーシャルアパートメントにいたの!」というお客様がいらっしゃいました。どこで繋がるか、本当に分からない不思議なご縁ですね。

1人暮らしでは得られない経験・出会いがたくさんある場所です。ここに住まなければ出会わない人に出会え、刺激をもらい、何かが起こります。何かは分からないけれど!入居するまでには迷いもあると思いますが、勇気を出して、飛び込んでみてください。そこで体験した話、一生話せますよ(笑)!

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前編はこちら👇
【OBインタビュー】「ソーシャルアパートメントのような誰もが心地よく過ごせる空間を」元入居者が大阪にオープンした日本茶喫茶の原点(前編)

(取材・執筆:Ichikawa / 撮影:Fukushima)