入居者さん企画イベント「ハウスキーパーさんありがとうの会」をレポート|ソーシャルアパートメント新検見川
ソーシャルアパートメントは、ラウンジやキッチンなどのパブリックスペースが併設された交流型賃貸マンション。広々とした共用空間で、入居者同士が自然につながり、日々の暮らしの中に小さな交流が生まれています。
仕事から帰ってきたときの「おかえり」や、休日に誰かが立ち上げるイベント。自分のペースでプライベートを大切にしながら、人との関わりも選べるのが特徴です。
今回取材したのは、そんな日常の延長線上で生まれた入居者さん企画のイベント「ハウスキーパーさんありがとうの会」。「いつも共用部をきれいに保ってくれているハウスキーパーさんへ、感謝の気持ちをきちんと伝えたい」という、1人の入居者さんの想いから実現しました。
感謝を、形にするということ
今回のイベントを企画してくれたのが、入居して1年目の島本さん。
共用部の清潔感を保つために、日々清掃をしてくれているハウスキーパーさんに感謝の気持を伝えたい。それだけでなく、共用部で会う時に「いってらっしゃい」「元気?」などと声をかけてくれるハウスキーパーさんにいつも元気をもらっていたそうです。
(▶清掃体験レポート|ハウスキーパー歴11年・魚地さんに学ぶソーシャルアパートメントの清掃術)
以前から何かの形で感謝をしたいと思っていたところ、ソーシャルアパートメント新検見川の元入居者さんが、ハウスキーパーさんありがとうの会を開かれたことを知ったそう。
それが後押しとなり、今回企画に移すことに。
「ハウスキーパーさんへの感謝の気持ちは、きっと自分だけではないはず」と、他の入居者さんに声をかけたところ、約20名が賛同し、今回のイベントが実現しました。
今日の主役は「ハウスキーパーさん」
当日は、ハウスキーパーリーダーの魚地さんをはじめ、6名のハウスキーパーさんと、約25名の入居者さんが参加されました。
もちろん、今回のイベントの主役はハウスキーパーさん。参加者はそれぞれ「ハウスキーパーさんに食べてほしいもの」をテーマに、料理やお菓子、お酒を持ち寄りました。
手料理を振る舞う入居者さんも多く、リゾットやアヒージョ、生地から手作りのタコスまで。前日から食材を仕込む人や、生地から拘ってお料理を作られている参加者もいました。
予定が合わず参加できなかった入居者さんの中にも、料理だけ用意してくれる方がいたり、新鮮な魚をさばいてお刺身にしてくれた方も。
料理が並ぶと、作った人が一品ずつ簡単に紹介。ハウスキーパーさんは少し照れた様子で話を聞きながら、終始うれしそうな表情を浮かべていました。
イベントの中盤には、「ハウスキーパーさんクイズ」を実施。ハウスキーパーさん全員のアンケート結果をもとに、出身地や好きなアーティストを当てたり、「ハウスキーパーさんあるある」が出題されたり。
「ホテルに泊まると、清掃後かと思うほど水回りをピカピカにしてしまう」など、プロ意識が日常に染みついているエピソードには、思わず笑いが起こる場面も。「これはたぶん◯◯さんの回答だ!」「意外と◯◯さんかな?」と普段、挨拶程度のハウスキーパーさんの人となりを知れる機会になり、入居者の皆さんも楽しそうに答えを考えていました。
普段は挨拶程度のやり取りが多いからこそ、こうして“人となり”を知る時間が新鮮で、距離が縮まるきっかけになっていたように感じました。
イベント終盤になると、遅れて参加してきた入居者さんがちらほら。なかにはハウスキーパーさんにだけでなく、参加者全員分のお菓子を作って手渡ししている入居者さんもいらっしゃいました。
最後は全員で記念撮影。ハウスキーパーさんも参加者一人ひとりに「ありがとう」と言葉をかけ、心もお腹もいっぱいになった様子で帰宅されました。
企画をした島本さんも、「感謝を伝えられたことはもちろん、同じ気持ちを持つ入居者さんがこんなにいたこと、そして参加者同士の距離が縮まっている様子を見て、改めて企画してよかったな」と胸いっぱいのようでした。
余談ですが、見送りが終わると、誰かが声をかけるわけでもなく、自然と片付けが始まったのが印象的でした。
洗う人、拭く人、戻す人。それぞれが自然と役割を見つけて動く姿はソーシャルアパートメントらしい光景だと感じました。感謝を伝えるための会でしたが、日頃から育まれている入居者さんたちの関係性や温かい空気感が、表れていました。
【編集後記】
感謝を何かしらの形で伝えたいと思っている人がいること、そして、その気持ちに賛同してくれる人が周りにたくさんいること。何より、「ハウスキーパーさんありがとうの会」が、入居のタイミングは違えど、その物件の文化として受け継がれていたり、誰かの背中を押すきっかけになっていることが、とても素敵だと感じました。
入居者のコミュニティは常に変化していくものですが、時代が変わっても、こうして感謝の気持ちに賛同してくれる入居者さんがい続けていることに、温かい気持ちになりました。
今回、島本さんが企画されたこのイベントも、これから入居してくる誰かにとって、また新たな形でバトンを渡すきっかけになっていくのかもしれません。
取材として訪れた私自身も、心が満たされる時間となりました。
(取材・文章:林/撮影:林、小山)