SOCIAL APARTMENT
INTERVIEW

「大事にされるってこういうことなんだ」与える側の人間だったわたしが、ソーシャルアパートメントで感じた大きな“愛”

2025-07-31
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「大事にされるってこういうことなんだ」与える側の人間だったわたしが、ソーシャルアパートメントで感じた大きな“愛”

ソーシャルアパートメントは、従来型の賃貸住宅に加えて、ラウンジなどの充実した「パブリックスペース」が併設された交流型賃貸マンション。プライベートを確保しながら住人とのコミュニティを楽しめる、”世界が広がる”新しい居住スタイルです。

今回は東十条駅から徒歩4分のソーシャルアパートメント「ネイバーズ東十条」に憧れ、北海道・札幌から上京してきたというまゆみさんにインタビューを実施。

子どもの福祉に関わる仕事をするなかで、他者に対して何かをしたり、助けたりするのが当たり前だったというまゆみさん。ソーシャルアパートメントで暮らしたことで、初めて“与えられる”立場を経験することになったと言います。


「なんで、わたしがこんなことに?」

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ーまゆみさんがソーシャルアパートメントに住もうと思ったきっかけを教えてください。

実は、ソーシャルアパートメントのことはもともと知っていて。「もし、自分に次の人生があるなら住みたい」と思っていました。

生まれてから27年間、一度も地元・札幌を離れたこともなかったし、上京するなんて夢にも思わなかったんです。

でも、2年前に友だちと東京に旅行に来たとき、ふと「わたし、ここに住むわ」という謎の予感が降りてきて(笑)。すぐに転職活動をして仕事を決め、ソーシャルアパートメントに引っ越してきました。

ー何だか運命的ですね。実際にソーシャルアパートメントで暮らしてみて、ご自身に変化はありましたか?

人を頼れるようになりました。もともと子どもの福祉にまつわる仕事をしていたので、東京でも同じような仕事を選んだのですが、思い描いていたものとは違って…。それでも頑張って行こうとしていたある日、息ができなくなって共用部で倒れてしまいました。

そんなときに、たくさんの人が助けてくれました。ソーシャルアパートメントには車いすを利用している友人がいるのですが、「良かったら乗りなよ!」って言ってくれて(笑)。本当は誰にも迷惑をかけたくなかったし、頼るのが嫌でした。「なんでわたしがこんなことに?って思ってた。
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でも、ソーシャルアパートメントにいる留学生に自分の症状を説明したとき、「あぁ、パニックアタックね」って普通にわかってもらえて、世界共通である症状なのだと気付きました。それで、「自分は、世界にたくさんいるうちのひとりなのか」と思ったら気持ちがラクになりましたね。助けてもらうしかないな、と腹を括れるようになりました。

ー「頼る」って勇気のいることですもんね。

ここでの生活って、助け合いなんですよ。

当事者にしてみれば、「パニックなのに頑張ってるね」と言われるのが本当に嫌で、むしろいじってくる人のほうが好きなのでありがたいですね。気を遣われていないのが心地いいです。
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「無理かも」と思ったらLINEで助けを呼んだり、「今日は泣きます!」って宣言して飲むのに付き合ってもらったり、人の助けを借りようと思えるようになりました。今でも忘れられないのが、みんなに支えてもらいながら転職をしたときですね。せっかく内定をもらったのに、結局また行けなくてダメになっちゃって。

「こんなことをしに札幌から出てきたわけじゃないのに」って泣き崩れていたら、「頑張ってきたことはみんな知ってるよ、無駄じゃないよ」「自分たちと出会えたことの意味を考えてもいいんじゃないの?」って言ってもらえたことが、今でも心に残っています。

気付いたら、“家族”ができていた。「大事にされる」ことを知った1年

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ー普段はどんな生活をされているんですか?

最終的にリモートワークのお仕事に転職したこともあり、昼も夜もごはんを作っています。まさか自分がごはんを毎日作るようになるとは思ってなかった(笑)。

せっかくソーシャルアパートメントに来たのだから、これまで作ったことのないものを作ろうと思って、揚げ物や、パン、お菓子など、いろんな料理にチャレンジしています。実家だと落ち着いてできないし、ひとり暮らしだと後片付けが大変で、意外とやったことがなかったんです。

でも、自分はただ作りたいから作っていたので…食べる人がいないじゃない? それで、「食べる?」と声をかけていたら、毎日一緒にごはんを食べる、“家族”のような関係性ができていました。
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ー毎日一緒にごはんを食べるってすごいですね。本当に家族みたい。

そうですね。「毎日ごはんを作るって大変じゃない?」とよく言われるけど、わたしは人に与えるのが好きだし、人の「できないことができた!」瞬間に立ち会えることが嬉しいんですよね。

もともと料理がまったくできず、玉ねぎを皮ごと洗っていたような人が、カルボナーラを作れるようになったときは泣きそうになりました。「まゆみに教わったから、誰かにも教えてあげよう」と思ってもらいたくて、料理をしながら豆知識を教えるようにしています。

家族というのもおかしな話だけど、「名前のない関係性」って世の中にいっぱいあって、お互いがそんなスタンスだからこそ一緒にいるんだと思います。肩書きをあまり気にしてないというか…年齢も性別も、職業も関係ないって思うんですよ。
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ーただごはんを作るだけじゃなくて、そこに大きな愛を感じますね。

愛ですよね。わたしはソーシャルアパートメントに来てから初めて「大事にされる」ってどういうことかを知りました。

たとえば、自分のしたことが返ってきたとき。転職した日に、みんなが力を合わせてごはんを作ってくれたんです。以前わたしが作ったチーズフォンデュがおいしかったから、って。誕生日には、「メントスコーラ」「まゆみクイズ」「利きオレンジジュース大会」など、わたしのやりたいことを全部取り入れてくれました。

たとえば、自分の特性を理解して行動してくれたとき。わたしは飲み会の最後には早めに片付けに取り掛かりたいタイプなのですが、今やわたしに合わせてみんな手伝ってくれるようになって。「自分がやっていることを見てくれているんだな」と思いました。

わたしは福祉の人間なので、職業柄的にも“愛は与えてなんぼ”だと思っていました。だから、与えてもらうというのが新鮮で、すごく嬉しかったですね。

入れ替わりがあるからこそ、一日一日を大事にできる場所。

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ー改めて、ソーシャルアパートメントの好きなところはどんなところですか?

いろんな人と話せるからこそ、視野も生活も生き方も「広がる」ところですね。わたしはここに来て、すごく生きやすくなりました。

パニックになっても、「世界には同じ症状の人がいっぱいいるよ!」と教えてくれたり、タコライスを作ろうと思ってアボカドを忘れても、「品薄だから買えなくて当然だよ!」と言ってくれたり、焼いていたドリアを床にぶちまけても「ちょうどいい量になって良かったじゃん!」と笑って片付けてくれたり。

そんなに頑張らなくてもいいのかも。ダメじゃないのかも。どうでもいいかも。って思うことが増えましたね。

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ー最後に、現在入居を検討している方に一言お願いします!

人生で一度でいいから、ソーシャルアパートメントに住んでみてほしい。入れ替わりがあるからこそ、一日一日を大事にできるようになると思います。「誘ったらどう思われるかな?」「今度これを一緒にやろう」と考えているうちに、相手がいつの間にかいなくなっちゃうこともあるから。

絶対にいつか別れが来るし、自分が出ていくタイミングも自分で決めなくちゃいけないのがソーシャルアパートメントです。刹那的ではあるけれど、“自分”が出来上がっていく場所だと思います。

ーソーシャルアパートメントでの時間を大切に過ごしていることが伝わってきました。本日はありがとうございました!
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(取材・執筆:いしかわゆき、撮影:松間継史)